早春の土佐路を快走する「高知竜馬マラソン2018」
その開催概要と人気沸騰の秘密を探る
毎年様々なマラソン大会が開かれる四国四県。「香川丸亀ハーフマラソン」「四万十ウルトラマラソン」等有名なレースも開かれる中、今市民ランナー達の間で人気沸騰の大会があるのを御存じですか?。
それは2月に高知県で開催される「高知竜馬マラソン」。
そもそもこの大会は、1946(昭和21)年から開催されていた「高知マラソン」を、2013年にリニューアルした大会なのです。ちなみにその歴史…国内では二番目、世界を見渡しても七番目とギネスもの。
が…
高知県のPR不足なのか土佐の人柄か奥手なのか?…リニューアル直前は参加ランナー数が堂々の100人弱と言う有様でした(涙)。
この惨状に…
こんな「高知マラソン」では往かんぜよ(檄)!
と坂本竜馬が県知事に檄を飛ばしたか否か…定かではありませんが(笑)、2013年に「高知竜馬マラソン」とリニューアルして開催。それ以降年を追う毎に参加ランナー数は急増し、ついに昨年の「高知竜馬マラソン2017」では、参加人数が1万人に到達する国内有数の大会に成長したのです。
「ふぅ~ん1万人」と言うなかれ…同じフルマラソン大会で4月に徳島で行われる「とくしまマラソン」の、昨年の参加ランナー数は約7000人。同じ高知開催の「四万十ウルトラマラソン」が約2000人ですから…その規模の凄さはお解りいただけると思います。
なぜこれ程に「高知竜馬マラソン」が、多くのランナーから支持される大会となったのか?。
その秘密は後で御案内するとして、今年の「高知竜馬マラソン2018」の開催概要を御案内します。
【高知竜馬マラソン2018開催概要】
開催日時:2018(平成29)年2月18日(日) 午前9時スタート 制限時間:7時間(フルマラソン・オンリー)
コース内11ヶ所に「関門」あり。規定時間内に通過しないと「失格」となります。
コ ー ス:高知県庁前(スタート)→はりまや橋→高知竜馬空港→桂浜→土佐市内折返し→春野陸上競技場(ゴール)
(日本陸連公認マラソンコース・42,195km)
参加費用:¥9,000(税込・今年から¥1,000値上げとなりました)
参加定員:10,000人 (参加料は事前振り込みですが、2/17&2/18の参加受付をしないと失格扱いになります)
参加受付:2月17日(土)13:00~18:00=高知市中央公園、2月18日(日)6:00~8:00=高知市城西公園
今年間に合わなかったけど、来年「高知竜馬マラソン」を走りたい方へ
「え~、何か「高知竜馬マラソン」って面白そう。来年是非走ってみたいわ。」と興味津津のあなた…今年の「高知竜馬マラソン2018」を例に、エントリーの順を見て行きましょう。
「高知竜馬マラソン」エントリー方法(2018年版)
(1)「高知竜馬マラソン」のHPから、ランナーズ・ポータルサイト「ランネット(http://runnet.jp)に会員登録した上、そこから参加エントリーをし、指示の通り期限内に参加料を振り込む。(2018大会は9/15~10/31まで)
(2)パンフレット発送センターに申込み「専用振替払込用紙」を貰って、参加料を振り込む。
(2018大会は発送センターは都内に有り、対応は9/24~10/24まで。来年以降大幅変更の可能性あり。)
ちなみに、HP経由とパンフレット経由の募集人数の割合は…
HP=9,500人 VS パンフレット=500人
となっています。要するに「HPから申し込め!」って訳なんですよね。ただ良心的なのは「先着順(早い者勝ち)」ってところ。東京マラソンの様な「芸能人枠」など怪しげな枠は一切ありません。しかし、応募者急増が見込まれる来年以降は「抽選制を導入する」可能性が高かそうです。
「たった100人の大会」が、何故1万人まで増えたか?その秘密を探る
先程も申し上げた通り、「高知竜馬マラソン」の前身「高知マラソン」は、その末期の参加者が100人弱という有り得ない大会でした。それが何故、僅か5年で参加者数が100倍にも増えたのか?。皆様お待たせのその秘密を探る事にしましょう。
フルマラソン大会なのに、参加料が1万円でお釣が来る!
一般にフルマラソン大会の参加料は、1万円台が普通と言われています。ところが「高知竜馬マラソン」は、昨年まで参加料が8、000円(今年からは9、000円に値上げ)。市民ランナーからは「フルマラソンなのにこのコスパの良さ。」と称賛の声が上がっています。値上げした今年も「満員御礼」との事で、暫くこの人気は続きそうです。
風光明美なコース&制限時間7時間で「歩いてでも完走できる!?」
コース全体は、一部を除いて風光明美な太平洋を望む平たんなコース。高知の名勝「桂浜」などを巡る等、観光と言う点も盛り込んだコース作りです。しかも、ゴールまでの制限時間は東京マラソンと同様7時間。つまり、一キロ当たり9分50秒で走れ…歩け…ば、自然と制限時間内にゴール出来る計算になります。ただし、コース内には11の関門が有り、制限時間内に通過しなければ「はぁ~い残念。また来年!」ってことになっちゃいますので、計画的に関門を通過する意識を、常に持った方が良いでしょう。
高知の2月は「スポーツのベストシーズン」
「高知竜馬マラソン」が開かれる2月は、高知にとってスポーツのベストシーズン。プロ野球・阪神や西武の二軍が県内でキャンプを張ったり、関西や中国地区の大学のスポーツ部が合宿を張る等、アスリートたちにとって過ごし易い季節と言えます。
またの名を「くいだおれマラソン」高知の旨いもんが貴方を狙って…遂には「高知竜馬マラソン中毒者」続出
一般に、マラソンのエイドステーションにはランナー達に栄養や水分を補給させることを目的に、バナナ・すいか・スポーツ飲料が用意されます。しかし「高知竜馬マラソン」のエイドステーションに用意されているのは…
かつおめし きゅうりの甘酢漬け 文旦 ゆずジュース 塩けんぴ
と正に百貨店の「高知県物産展」状態。圧巻はゴールの春野陸上競技場には農業高校や水産高校の生徒らの炊き出しに加え、エイドステーションで提供された物産品が即売される等「ここはマラソン会場なのか?」と疑う人も出るほど。これはもう「マラソン」ではなく「くいだおれ」状態とでも言いましょうか。ちなみに市民ランナーの中には、これを楽しみに毎年参加すると言う「高知竜馬マラソン中毒」になられる方が続出しているそうです。ただ、殿方どのが最も興味のある「土佐の銘酒」の出品は、さすがに県から止められたそうです。レース後の打ち上げ会で、お好きなだけどうぞ。
参加者急増に追い付かない運営体制への不安も
これまで述べて来た通り「高知竜馬マラソン」は年々活況を呈していますが、それの伴って運営の脆弱者が露呈し今後の運営に暗い影を落としています。
ちなみに「高知竜馬マラソン2018」では、参加費や地元企業のサポート費用を併せて3億円。それに対し運営費の総額は10億円と高額です。つまり差し引き7億円余が高知県の負担となっており、財政的に余裕の無い高知県の財政に重く伸し掛かっています。
昨年の大会では、コース上でのトイレの数が足らなくなり参加者からクレームが挙がった他、事前申し込みの振り込みにトラブルが起きる等、運営の拡大による被害の傷が年々広がっていると捉えられています。県関係者の中からは「今後も現状の規模を維持する場合、ネーミングライツ等を含め予算の確保を図る努力が必要。」との声もあります。
とは言え、今や日本最大級の市民マラソンに成長した「高知竜馬マラソン」。圧倒的な市民ランナーからの支持を背景に、今後も更に盛り上がりが期待されそうです。